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ちば・よしひろ

2004年から全国高等学校進学指導協議会事務局長。東京都立晴海総合高等学校教諭・キャリアカウンセラー。中央教育審議会大学分科会制度・教育部会学士課程教育に関する小委員会高等学校と大学との接続に関するワーキンググループ委員などを歴任。

Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
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高校現場の視点

推薦・AO入試が可能にする
「選抜」から「相互理解」への転換


東京都立晴海総合高等学校教諭 千葉吉裕

キャリア教育推進で高校生を動機付け

 2010年4月から、高校教育が変わった。しかしその変化を、教員も、生徒も、保護者も、実感していないのが実態だと思う。まして、大学・短大・専門学校関係者などは、何がどう変わったのか、理解している人はほとんどいないと思う。改革というものは、変化が表れるまで時間を要し、徐々にその兆しが表れる。時間を経て初めて変化に気づくものである。今回の改訂もご多分にもれず、効果が表れるのにしばらくの時間を要することとなろう。
 では、高校教育で何が変わったのかと言えば、学習指導要領に「キャリア教育の推進」が明示され、すべての高校でキャリア教育が行われるようになったのである。キャリア教育自体、教育現場で十分には理解されていない。言葉が持つイメージから、職業に就くための教育ととらえられている面が強く、真の意味は十分に浸透していない。
 キャリア教育とは、「生徒一人ひとりの社会的・職業的自立に向け、必要な基盤となる能力や態度を育てることを通して、キャリア発達を促す教育」である。生徒は、自己の将来を広く展望し、必要となる能力や態度は何かを考え、自らの意思で成長するための学びを選択することとなる。各高校はインターンシップなど、学校で学んだことが社会でどのように活用されているのかを確認する機会を設け、学ぶ動機を高めようとしている。


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