特集 受け身から主体的な学習に向けて
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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手をかけすぎないことが生徒の主体性を引き出す

 ただ、いつまでも教師が指示を与えているだけでは、主体的な学習態度は身につかない。赤藤先生の学年では、指導方針の一つに、「主体的な生徒を育成する」を掲げている。
 「高い志望進路を実現させ、大学での学びを有意義なものにするためには、主体性の涵養が欠かせません。3年生からは生徒から手を少しずつ離していき、主体性を引き出していこうと考えています」(赤藤先生)
 例年3年生まで続けられていた週末課題は、2年生でやめる予定だ。提出物や宿題も、2年生後半からは最低限の指示しかしないようにしている。また、集会時には筆記用具を持参する、教室や廊下にごみが落ちていたら掃除をするなど、これまで生活指導の中で繰り返し注意してきたことについても、なるべく指示を出さないようにしているという。
 「何でも自主的に取り組むことができて、初めて学習も主体的に取り組むことができます。生活面も含めたあらゆる場面で主体性を伸ばしていくことが大切です」(赤藤先生)
 こうした指導により、生徒にも変化が表れている。学校行事の委員などに積極的に手が挙がるようになり、学習時間も着実に増えている。生徒が自分で歩けるようになるためには、教えすぎない、手をかけすぎないことも大切なのかもしもれない。


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