特集 中・高・大とつなげる「学び」と「指導」
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
  PAGE 14/16 前ページ  次ページ

教科指導とキャリア教育で 生徒の知的好奇心を刺激

山尾  生徒の主体性を引き出すために、本校が今後力を注ごうと考えているのがキャリア教育です。年末に行った職場訪問もその一環でしたし、昨年は1、2年生の希望者を募り「東大探訪」や「京大探訪」も行いました。キャンパス内を見学するだけではなく、本校OBの教授・大学生と生徒との交流の場も設けました。先生方や学生たちに「どういった志を抱いて、どのような学問を研究しているのか」について、失敗談や苦労話を交えて、できるだけ現実のままを話してもらったんです。
 ロールモデルとなり得る先輩との出会いは、生徒が大学での将来の自分の姿をイメージする上で、大きな経験となりました。「東大探訪」に参加するような生徒は、もともと大学進学に対する意識が高い層なのですが、担任に聞くと「先輩との出会いを契機に、これまで以上に学びに対する意欲が高まっている」と言います。
 年末の職場訪問のときのように、こちらが刺激を与えたからといって常に生徒が応えてくれるとは限りません。しかし、できる限り生徒を学校の外の世界に連れ出し、刺激を与え続けていきたいと思います。
北澤  私は知的な面で生徒に刺激を与えていくには、やはり教師が専門性と指導力を磨き、教科指導で生徒と勝負していくことが一番だと思うのです。先日、本校のある年配の教師が「自分が高校生のころは、職員室に入ると、教師の机に専門書がずらりと並んでいたものだ。自分はそれに刺激を受けて、学問に対する憧憬を深めた」と話していました。確かに、今の教師に足りないのは、まさにそういう知的なあこがれに通じる部分ではないでしょうか。
 私が担当する国語の授業では、生徒が取り組みやすい教材を選んでいます。しかし、内容はできる限り深いところまで降りていくものを選ぶよう心がけています。また、効果的な発問によって生徒との対話を深めることができれば、それを聞いている生徒の知的好奇心も刺激できると考えています。

  PAGE 14/16 前ページ  次ページ
目次へもどる
高等学校向けトップへ