指導変革の軌跡 福岡県立八幡高校「進学実績向上」
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20問完答で合格の「口頭試問」で基礎学力の定着を図る

 日々課題の発展形として「口頭試問」も取り入れた。教科書レベルの基礎事項の定着度を、口頭によって確認するものだ。国語科が発案し、現在は英語や数学、理科、地理と多くの科目で実施する。

 「口頭で即座に答えられるということは、確実に、知識が身に付いている何よりの証拠です。口頭で理解度を確認し、確実な定着を促しています。3年次に教科の内容を掘り下げるためには、1、2年次までに基礎的な事項を確実に身に付ける必要があります。ところが実際には、3年生になっても基礎の定着が不十分な生徒もいます。基礎基本の確実な定着には非常に効果的だと思います」(内村先生)
 口頭試問の内容は、国語や英語は文法や単語、数学は公式など、教科書レベルの基礎的な内容が中心だ()。生徒を順番に並ばせ、約20問を出し、全問正解なら即座にパス、1問でも間違えれば再び列の後ろに並ばせ、20問完答できるまで何度も繰り返す。

図:「口頭試問」問題(国語)

 実施時期は、例えば、国語は古文の助動詞を終えた1年次夏休み明け、漢文を終えた2年次秋など、ある程度まとまった単元や内容が終わった段階でとなる。緊張のあまり震えてしまう生徒、最後の最後に間違えて地団駄を踏む生徒、ようやく合格し涙を流して喜ぶ生徒など、この時期には校内のそこかしこで悲喜こもごもの光景が見られるという。


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