学びが深まるICT活用 町内7校の児童がつながる、ICTを活用した登山事後学習

VIEW21[小学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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トラブル予防のためにこそネットを使った実践を

 吉井町は、ベネッセコーポレーションのスクールイントラパック〈センター版〉を導入している。スクールイントラパックには〈学校版〉と〈センター版〉とがあり、〈学校版〉では専用サーバーを学校ごとに設置するが、〈センター版〉では教育センターなどに設置する。そこからイントラネット(またはインターネット)でつながった複数の学校間で、スクールイントラパックの各種機能を共有できるという仕組みになっている。そのため、学校間で同一ソフトを使った交流授業や電子会議が可能なのだ。この特徴を活用することで、「子どものコミュニケーション能力を育成する」というねらいに沿った授業が展開できる。
  2006年度は吉本さんの提案に対して学校側の関心は高かったものの、二の足を踏む状態だった。インターネット上で子どもが巻き込まれるトラブルが社会問題となっており、児童がインターネットを使うことに懸念があったからだ。
  しかし、吉本さんには、「社会問題になっているからこそ、導入すべき」という信念があった。
  「トラブルを恐れて避けていても、子どもたちはいずれインターネットを使うことになります。実践を通して、メリットもリスクもきっちり教えるべきだと思います」
  スクールイントラパックなら、教師の目の届く範囲でメールや掲示版の実践学習を行えるという安心感もあった。そこで、吉本さんは1年間、各校の授業でスクールイントラパックを活用してICTの利便性や学習効果を確認。7校の教師たちに再提案し、小学校の情報教育を統括する部会から承認を得た。
  その後、学校では学年部会(各校の教師が学年別に集まり、年間に2回程度開催)での教師同士の合意の確立、各校校長への許可申請、教育委員会への対応、保護者に対する説明など、教師にも少なからぬ負担がかかった。それでもなおスクールイントラパック活用への期待は大きく、07年度からの実施が正式に決定された。
写真1
写真1 学年部会の様子。各校の教師が集まり、7校の合同行事をどのように進めていくのか打ち合わせをしている
図1

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