ベネッセの研究開発:小学生の算数の意識〜「小学生の計算力に関する実態調査2007」より
VIEW21[小学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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明日の教育を考える
ベネッセの研究開発

今回紹介する調査テーマ

小学生の計算力の実態調査2007

算数嫌いは4年生で増加
3、4年生で正答率が落ち込みを見せる

小学生の計算する力の実態、また、算数に対する抵抗感や好き嫌い等の意識が計算力に与える影響を明らかにするため、 ベネッセ教育研究開発センターは、 「小学生の計算力に関する実態調査2007」を行った。
その結果、現行の学習指導要領下における計算指導と課題が明らかになった。

計算力の大きな断層は小3と小4の間

 算数の学習において、「数と計算」の占める割合は大きい。学習指導要領が目標として掲げる、社会に出てからも通用する「考える力や態度」へとつながる基礎的な知識と技能の筆頭が「数と計算」といえるだろう。そこで、今回の「小学生の計算力に関する実態調査」は、


◎学習指導要領の範囲の計算が、一人ひとりに確実に身についているか
◎学習指導要領の範囲外の計算においても、自力で解決できるよう、計算原理を理解し、活用できる力が身についているか

という2つの実態を明らかにするために実施した。また、計算力の高低には、算数や学習全般に関するさまざまな意識が影響していると考えられるため、意識調査を併せて行った。
  小学1〜6年生の計算問題の正答率(図1)を見ると、学習指導要領内の問題では、一番低い5年生でも約70%、他学年はそれ以上であり、おおむね計算力は身についているといえる。しかし、1〜3年生は正答率は約86〜96%と高いが、4〜6年生の正答率は約70〜80%と低い。小3までと小4以降の間に、計算力の断層があるといえるだろう。
  学習指導要領の範囲外の問題の誤答率は、学習指導要領の範囲内の問題と比べ、数値が高かった。更に、3年生と4年生以上の大きな差異として、4年生の無答率の高さが挙げられる。解答しようと挑んで誤るのではなく、解答そのものをしない層が増えているというのが特徴だ。

図1
小学生の計算力に関する実態調査2007

小学生の計算力に関する実態調査2007

◎児童の計算力の実態と算数に対する意識を明らかにするために調査を実施した。

概要
調査主体 ベネッセ教育研究開発センター
調査方法 学校通しによる計算力テスト・質問紙調査
調査対象 全国の公立小学校31校の1〜6年生 合計8,897人(調査対象校は無作為抽出)
調査時期 2007年2〜3月(一部4月に追加調査)
調査内容 (1)各学年の計算問題 学習指導要領内の計算+学習指導要領外の計算
(2)算数の学習に関する意識

 

詳しい調査内容、報告書の入手方法は、 ウェブサイトをご覧ください

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