特集 移行期間の課題と対策

VIEW21[中学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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「総合的な学習の時間」と選択教科の意義を問い直そう

――教育課程の仕組みについては、どのようにお考えですか。
谷合 現在、本校では、1コマ45分の週30コマで教育課程を組み、放課後には補充と探究を中心とした30分の学習活動を週5日行っています。放課後学習は時数に含めていませんが、これを授業時数に加えて、更に夏休みの短縮等を考慮すれば、新学習指導要領の年間1015時間は確保できる予定です。
村松 本校では、1年を4ステージ制にして時間割を組み替えています。教師1人が担当する授業や特別活動、「総合的な学習の時間(以下、総合学習)」の指導のコマ数をステージごとに変えて、年間で見れば各教科の授業時数を確保できるようにしています。時間割を組み替える手間はかかりますが、学校生活にめりはりが付き、子ども個々への指導の充実にもつながっていきます。
田中 前任校では、学校行事を見直したり、始業式の翌日から授業を行うなどして、980時間以上の授業時数を確保していました。工夫次第で、新学習指導要領での授業時数は、確保できると思います。
村松 私が重視したいのは「総合学習」の再編です。「総合学習」は、学校の特色を出せるのみならず、生徒への教育効果も高い取り組みです。授業時数削減の一方で、内容の精選がますます問われます。これまでの「総合学習」で得たものは何かを見直し、場合によっては、各教科で担う部分が出てくるかもしれません。
谷合 選択教科の扱いも大きな課題です。本校では、学力差に応じた個別指導の時間を選択教科で確保してきました。一斉授業を確保した上で個別指導を行う方が、教育的効果は高いと見ているからです。いずれにせよ、確かな学力の向上のために選択教科が担ってきた部分を、今後どのように代替・補完するか、各校の実態に応じた工夫が求められます。

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