オリター制度の成功は、立命館大学の教育システムに大きな変化をもたらした。「早期化、長期化する就職活動にもオリター制度のような仕組みを取り入れることはできないか」という発想から、「ＰＬ制度」と「ＪＡ制度」が生まれた。
　ゼミごとに３年生から希望者を募り、ＰＬ（プレースメントリーダー）としてゼミ全体の就職活動をリードしてもらうのが、ＰＬ制度である。人数の制限はなく、ゼミ担当教員、キャリアセンター、教務センターなどと連携して、業界研究会やＯＢ・ＯＧ懇談会などの企画を主催し、ゼミ以外の学生への啓発活動も担う。導入当初は一部の熱心なゼミに限られていたが、現在はほとんどのゼミにＰＬを置いている。
　ＪＡ制度では、人気企業の内定を得た学生などをＪＡ（ジュニアアドバイザー）として選び、自身の体験談を下級生に伝えてもらう。ＪＡの中には、キャリアセンターの「常勤ＪＡ」として進路や就職活動の相談に応じる学生もいる。現在、「キャリア形成科目」として「キャリア形成論」「キャリア探偵団」「キャリアデザイン入門」「人材開発」など、学部ごとに多くの科目を設けている。そこで学んだことを生かしながらＰＬ、ＪＡの活動に参加するよう、大学が入学時から働きかけているという。
　このほか、卒業して２〜３年の卒業生をＣＡ（キャリアアドバイザー）として登録し、３、４年生を対象に社会人としての体験談を語り、進路の相談に乗ってもらう「ＣＡ制度」がある。
　04年度から「ＥＳ制度」もスタートした。２、３年生の専門基礎科目などの授業にＥＳ（エデュケーショナルサポーター）の３、４年生を配置している。ＥＳは前年度にその科目で優秀な成績を修めた学生の中から選ばれ、つまずきやすい箇所や重要なポイントを伝える。04年度は一部の科目で試験的に導入、05年度からは導入する科目を増やした。今後は、専門基礎科目以外の講義系科目にも導入していく予定だという。