●東海・北陸地区
　北陸地区では金沢大学で12.6％、福井大学で6.5％志願者が増えた。一方、富山大学では1039人減り、減少率は18.9％となった。センター試験の５教科７科目化が進み、第二志望で出願する県外の受験生が減ったと思われる。
　東海地区の国立大学で志願者が増えたのは、浜松医科大学と愛知教育大学。名古屋大学では、情報文化、医、農の各学部で志願者が若干増加したが、全体で6.6％の減少率となった。
　東海・北陸地区の公立大学の志願者指数は104.7。石川県農業短大を改組してできた石川県立大学では、センター試験が３教科だったこともあり、1011人も集まった。金沢美術工芸大学、福井県立大学、岐阜県立看護大学、岐阜薬科大学、静岡県立大学、三重県立看護大学の６大学で志願者が増加。例年は東京や近畿への流出が多いが、05年度は地元の私立大学の志願者も増えている。

●近畿地区
　国立大学の志願者指数は、８ブロック中最高の99.8。滋賀大学、京都教育大学、兵庫教育大学、神戸大学、奈良女子大学などで増加が目立つ。京都大学と大阪大学は３％程度減った。大阪外国語大学は10.9％と、大幅に減少。東京外国語大学も同様で、外国語系統の人気低迷がうかがえる。奈良教育大学も18.8％と大幅に減少した。
　公立大学では、大阪府立大学が大阪女子大学、大阪府立看護大学と合併して7学部で新しく発足、志願者数は04年度の総数より約300人程度増えた。このほか、京都市立芸術大学、神戸市看護大学、奈良県立医科大学などでも増加。一方、滋賀県立大学、兵庫県立大学、和歌山県立医科大学などでは志願者が減少した。中でも兵庫県立大学は、経済、工、環境人間の各学部で入試科目が増えたこともあり、全体で1365人減り、21％の大幅減となった。

●中国・四国地区
　国立大学の志願者指数は90.5で、８ブロックの中で最も低い。志願者が増えたのは広島大学と愛媛大学の２校のみ。
　鳥取大学の2082人減は、29.5％の大幅減だ。高倍率だった04年度の反動に加え、地域教育学科の前期で、センター試験が５教科６科目から６教科７科目になったことも一因と考えられる。
　公立大学のうち、県立広島大学は、広島県立大学、県立広島女子大学、広島県立保健福祉大学の統合による新設校。人間文化、経営情報、生命環境、保険福祉の４学部になったが、従来の学部と大きく変わったイメージを受験生に与えられなかったのか、志願者は04年度の総数より減った。島根県立大学、広島市立大学、山口県立大学、高知女子大学では増加。とりわけ島根県立大学は、総合政策学部の前期日程で、センター試験３教科３科目で人気を集め、全体で123.2％も増えた。

●九州地区
　国立大学、公立大学とも大幅に志願者が減った。国立で増えた大学は福岡教育大学、宮崎大学、鹿児島大学のみ。九州大学はほぼ04年度並みだったが、大分大学、長崎大学、鹿屋体育大学はそれぞれ39％、22.9％、25.2％と大幅に減った。国立で他地区からの流入が減ったものと思われる。
　公立大学では、熊本県立大学と宮崎公立大学で増加、ほかはすべて減少した。全国的には人気の高かった看護系でも、大分県立看護科学大学、沖縄県立看護大学では、それぞれ40.9％、31.6％と大幅な志願者減となった。前者は04年度の高倍率の反動、後者は理科を２科目必須にしたことが主な要因といえそうだ。