学部系統別の志願者の増減は、2005年４・５月号で解説した私立大学の状況とほぼ同様である。ほとんどの国公立大学志願者が私立大学との併願なので、同じ傾向が表れるわけだ。ここでは、国公立大学ならではの特徴が見える主な学部系統だけを取り上げる（図表３）。

　経済・経営・商学部系統は、私立大学では人気が高かった。しかし国公立大学では依然として志願者数が伸び悩んでいる。
　文・人文・教養学部系統の志願者指数は、04年度の92.8から96.4に回復した。女子受験生が相対的に増えたからだろう。
　工学部系統は従来、国公立大学で最も志願者が多かった。ところが05年度の志願者指数は93.0で、全体の平均より低い。私立大学も減少率が大きく、全体的に人気の下降がうかがえる。
　教員養成系統の志願者指数は88.8に落ち込んだ。私立大学では増加傾向にあり、教員志望者が減っているわけではなさそうだ。センター試験の５教科７科目化は、入試難易度がさほど高くない大学を目指す受験生には負担がかなり重く、少数科目で受験できる私立大学に流れたと推測される。これまでは教員の新規採用が抑えられていたが、団塊の世代の教員の定年退職がピークとなる２〜３年後に備えて、大都市圏を中心に採用枠が急速に広がっている。06年度以降は人気が回復していくと思われる。