梶山千里総長に話を聞いた。「教育を評価するためには、人材を送り出した社会からの評価を待つ必要があり、時間がかかる。一方、教育を受ける学生側の評価でいえば、21世紀プログラム生の満足度は極めて高く、効果を上げているといえる」と総括。 　その上で、「個人的意見を含めて率直に言うと、少し物足りない気もする」と話す。１期生の半分しか大学院に進まなかったこと、全員分の支援費用を用意していたにもかかわらず留学者が少なかったことなどを、理由に挙げる。
　「将来的には、国際公務員など、６年一貫教育でなければ育成できないような人材を送り出すプログラムにできればと思う。もう少しプログラムの的を絞り、この仕事を目指しているからここで学びたい、というような特色を出す必要がある」
　21世紀プログラムはもともと、学部を大くくりにまとめる構想からスタートし、「学内の理解が得られ、制度上も実現可能な選択」として始まった。総長は、「大くくり構想はまだ具体的になっていない」としながらも、思い描く姿を「国際自由学部」という言葉で表した。「今の日本に欠けている、広い視野を持って日本の考えを発信し国際社会をリードする人材を育てる教育を目指したい」と強調する。