現代GPでは、教育プログラムを評価する。最も重視されるのは「何のために」「何をするか」の２点だという。「つまり、目的や目標が明確で、活動内容がはっきりしているかどうかを問う。目的や目標は各大学が自由に設定でき、その実現のために適切なプログラムが組まれているかどうかを審査する」というわけだ。
　学生の教育と地域に対する貢献が一体化していることも、採択の条件だという。「03年度は、学生の関わりがあまり見えない地域貢献の申請も見受けられたが、それでは魅力がない。地域に貢献することと学生を育てることが一体になり、地域と大学教育が有機的に連携していることが重要だろう」。
　学生を地域に出し、地域に貢献すると同時に教育にも生かす試みは、これまでも個々の教員によってなされてきた。しかし、現代GPでは、学部単位、大学単位でのプログラムを対象とする。「そこに特色GPや現代GPを始めた狙いがある。大学の教員はこれまで一国一城の主で、自分の研究を追究することが学生の教育になると考えてきた。しかし、GPに申請するとなれば、他の教員と教育について議論を重ねなくてはならない。これは従来の大学では考えられなかったことで、教育に対する教員の意識、いわば『大学の文化』を大きく変えるものといえる。たとえ採択されなくても、学内でそうした議論がなされたというだけでも大きな意義がある」。
　しかも、地域連携のテーマで申請するには、大学として地域とどう向き合うのか明確にしなくてはいけない。これはまさに、大学の個性を打ち出すことにほかならない。「特に地方の大学が、『競争的な環境の中で個性輝く大学』であるためには、自らの存在意義を見つめ直すことが必要だ。地域にはそれぞれ特色がある。それに応じた教育ができるよう工夫することが個性化につながる。地域連携のプログラムは、そのための方策の一つであり、これが申請数にも反映しているのだろう」。
　現代GPに採択されると、２〜４年間、資金が補助される。「教育プログラムの性質から考えて、文科省の支援が終了した後もプログラムを継続・発展させることが望ましい。採択大学には、HPでの経過報告をお願いしているほか、措置終了後に訪問して評価することも考えている」と、フォローアップの考えを示唆している。現代GPには、地域連携プログラムを質的に向上させ、量的にも拡大させる機能があるといえそうだ。「大学の文化を変え、学生に地域という教育の場を与え、大学に生き残りの方策を示唆するという意味でも、現代GPが果たす役割は極めて大きい」。