―大学全体で地域連携に取り組むためには、体制を整えることも大切ですね。

橋本　その通りです。研究科ごと、あるいはゼミ単位での活動と違って、大学が組織として進めるには、学内の環境を整備する必要があります。まず、地域との窓口を明確にすることが大事です。
　本学では「社会貢献室」をつくり、地域社会との窓口を一本化しました。ここは地域活動に関わっている教職員で構成する実践部隊で、全学の活動を統括しています。この部署ができたことで、地域の人々が相談を持ち込みやすくなり、意思決定のスピードが大幅にアップしました。
　社会貢献室には、地元や企業へのいわば“営業活動”を担当する「地域連携コーディネーター」を３人置いています。農業指導や宣伝企画などの経験者で、連携を進める上で重要な役割を担っています。各自治体との間に協議会などをつくり、担当者との連絡を密にしています。年１、２回のタウンミーティングを通して、地域の人たちとの交流も深めています。