私は、全国の市町村から地域活性化に関する様々な相談や依頼を受けている。その中から教育にふさわしいところを選んで、毎年、ゼミの学生たちを連れていく。現地に泊まり込んで調査し、まちづくりなどの提案をするのだ。これまでに、長野県小布施町、栃木県足利市、群馬県桐生市などで調査をした。
　04年は茨城県笠間市で、常磐大学、実践女子大学の学生たちと一緒に調査をした。これは、笠間市商工観光課が主催するイベント「笠間元気プログラム」の一環として行われたもので、「笠間市の未来観光戦略」を提案するのが目的だ。
　学生がチームに分かれて調査・研究し、コンペ形式で成果を発表した。地下水を「笠間の水」として売り出す、笠間城の築城のため小沢征爾のコンサートでファンドをつくるなど、様々な提案が出された。３大学対抗というのも、大いに刺激になったようだ。笠間市にとって、学生らの新鮮な視点や提案は、政策立案に大いに役立ったはずだ。