特集 全入時代シフトで成功させる大学ブランディング

Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
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大学案内の表紙をmorph3で飾り全学のシンボルに

 morph3は開発以来、多くのテレビ番組、新聞、雑誌などで取り上げられ、2003年には「日本の科学技術」をテーマとした記念切手にも使われた。様々なロボット関係の見本市や展覧会からは、展示のオファーが引きも切らずかかる。今やfuRoとmorph3は、千葉工業大学のブランドを支える重要なファクターといえる。
 未来ロボティクス学科のパンフレットの表紙にも、morph3の解体写真が使われている。ロボティクスに興味を持つ受験生の「自分でも作ってみたい」「ロボットについてもっと知りたい」という知的好奇心を刺激しそうだ。
 2006年度の大学案内の表紙もmorph3が飾った。巻頭の特集でもfuRoを前面に出し、「千葉工業大学が誇るオンリーワン」としてアピールしている。
 morph3は単なるキャラクターではなく、その露出が効果を発揮するのは、fuRoの研究開発力と未来ロボティクス学科の教育の質という裏付けがあってこそだろう。「『教育はポリシーあるサービス業』というのが、私の持論。大学のブランディングというのは、看板やシンボル、マークを変えることではなく、そこでどんなサービスを受けられるのか、どんな研究をしているかをきちんと伝えることではないか。オンリーワンのサービスを提供すれば、それがおのずと大学のブランドになる」と古田所長は述べる。
 未来ロボティクス学科の学生の中には、「古田先生や米田完先生などレベルの高い先生がそろっていたから」「デザイナーになりたかったが、ロボットデザインに興味を持って入学した」と、入学の動機を説明する者もいる。大学案内や学科パンフレットをきちんと読み、独自の価値をしっかり受け止めたことがうかがえる。
 オンリーワンの教育・研究を追究する教員の熱意と、そこに誇りを感じる広報担当者の思いが結実し、morph3を活用したブランディングが力強いメッセージとなって、受験生の心を捉えたといえそうだ。


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