特集 全入時代シフトで成功させる大学ブランディング

Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
  PAGE 41/49 前ページ 次ページ

職員同士が大学のビジョンを議論・共有する仕掛け

 近未来プロジェクトは、学生を大学の主役に位置付けて大切にするという、トップのメッセージを具現化する過程で、職員が全学を巻き込んでいく取り組みだ。「学生は、自分たちが大学に大切にされていると実感できれば、大学に対する愛着がわく。社会人になっても近畿大学卒業ということを誇りにし、自分の子どもも学ばせたいと思ってくれるかもしれない。そんな愛校心を育むことこそ、大学の評価を高めることにつながる」と中林課長補佐は考える。
 一方、プロジェクトには、職員自らが大学のビジョンを描いて共感を確認し合い、改革の方向性を鮮明にするという仕掛けも組み込まれている。若林氏は「意見がぶつかり合うこともあったが、その過程で、大学をより良くしたいという思いを強くし、共有することができた」と語る。大きなプロジェクトに主体的に取り組むことで、大学改革を担うのはトップや管理職だけではなく、自分たち若手も責任を負っていると自覚するようになるはずだ。
 部署横断型のプロジェクトでは、普段は接点のない部署との交流が深まる。また、各部署の担当者に調整・協力してもらう場面が多々ある。この過程で一体感も高まっていく。
 ステークホルダー同士がコミュニケーションを深めながら、愛校心を高めていくための装置ともいえる近未来プロジェクト。このような手法で互いの共感を確認し、高めることこそ、ブランド力向上への歩みとなるはずだ。


  PAGE 41/49 前ページ 次ページ
目次へもどる
大学・短大向けトップへ