特集 全入時代シフトで成功させる大学ブランディング

Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
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教育の質的保証をブランド力の強化につなげる

 教育の質的保証は、大学が負うべき重要な責任であり、社会的信頼を支える重要な要素だ。同志社大学は、クレーム・コミッティをはじめとする一連の改革を、受験生や高校の進路指導担当者、企業などに伝えることが、大学のアピールにつながると考える。
 「一般的に考えられている本学のブランドは、伝統や校風などだろう。しかし、それらは教育機関としての本筋ではない。教育の質の高さを保証し、優秀な卒業生を社会に送り出すことで、教育力が社会で認知され、真の意味でのブランドになる。学生との信頼関係に基づく厳密な成績評価を、教育機関としての大学のブランド力向上につなげたい」と、田端副学長は述べる。
 現在、改革の概要を入試要項に記載し、全国各地での入試説明会で紹介している。高校側の反応は驚くほど良いという。広報課の正木卓課長は「本学を志望する高校生は、真剣に勉強したいという思いが強い。そのため、高校の先生も、どのくらいレベルの高い教育を行い、それをどんな制度で保証しているのかということに強い関心を持っている」と言う。入試説明会アンケートでも、9割が肯定的な評価を寄せている。「授業に対してこれほど真剣な取り組みをしているとは知らなかった」と述べる高校教員も少なくない。
 「ブランドは守るものではなく、作り上げていくもの。本学のような伝統校、大規模大学でもこれだけの改革ができるということを積極的に発信し、多くの受験生や保護者、企業の共感を得ていきたい」と意気込む圓月教授。教育の質的保証による同志社大学のブランドの構築に、注目したい。


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