特集 志望校はこう選ばれている

私立・金光(こんこう)
八尾高校


「確かな学力」「豊かな情操」を教育方針とし、学力向上に取り組んでいる。2006年度入試では、合格者に占める現役生の割合が98%に上った。同年度の関関同立合格者数は204人(うち既卒者2人)。二者面談を重視するなど、面倒見のよさが、現役合格者の割合を高めている。


所在地●大阪府八尾市
創立●1985年
学科・課程等●全日制/普通科/共学
2006年度入試合格者数(カッコ内は既卒者)= 神戸大2人(1)をはじめ国公立大42人(5)。関西大77人(2)をはじめ私立大延べ532人(10)


大学に望むこと

学部・学科の名前から内容を類推しにくい。学問内容にふさわしい名前なのかもしれないが、高校側から見たときに、どんなことを学べるのかよく分からないことがある。新設改組では、学部・学科の内容が分かるネーミングをお願いしたい。

石井裕教頭、
金崎桂悟進路指導部教諭、
前田美智進路指導部教諭

Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
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オープンキャンパスよりも夏期講習を優先

■ 進路指導の内容・スケジュール
 10年ほど前から関関同立に照準を合わせたカリキュラムに変更し、進学実績を高めてきた。1年次は「特進」と「普通」の2コースに分かれる。2年次以降はそれぞれの中でさらに文系と理系に分かれ、美術コースを加えた計5コースとなる。
 本校では、おおよその志望校を決めるのは、2年次12月から3学期の初めにかけてだ。その時期までに決めておけば、3年次の最初から受験勉強に注力させることができる。
 進路選択で大きな役割を占めるのが、面談だ。1学期と2学期の最後には必ず担任が面談をするが、それ以外にもホームルームや放課後などを利用して頻繁に行っている。面談は多ければ多いほどいいというのが、本校のスタンスだ。
 本校では3年次進級時のクラス替えがなく、担任は2年間にわたり生徒を見ている。わずかな変化でもキャッチし、即座に対応できるのが強みだ。
 面談では、希望する大学を聞いて、指導の判断材料にする。志望校選択はあくまで本人の希望を尊重する。その際、私たちが特に注意しているのは、「将来何をしたいのか」という進路選択のベースになる部分だ。「獣医師になりたい」「環境問題に関心がある」といった希望をできるだけ早い段階で押さえ、それに応じて、具体的な大学名や学部・学科名を出してアドバイスする。
 時には、生徒と一緒になって大学について調べることもある。主に大学のウェブサイトを利用する。進路指導室のパソコンを使う生徒が多いが、家庭では多くが閲覧している。大学案内や願書は10月頃に一斉に取り寄せて希望者に配布しているが、生徒は紙媒体をそれほど重視していないのではないか。
 進路意識を醸成するために、大学の入試広報担当者を招いて、3年生向けの大学説明会を実施している。2006年度は7月末から8月に5日間かけて実施。14校に協力してもらった。
 職業観の醸成の機会としては、1年次2学期のホームルームで、希望する職業に就くためには何を学べばいいのかを調べる「なるには学習」を行っている。
 このような取り組みは大切だが、それ以上に、本校では学力向上が第一だと考えている。学力が向上してこそ、将来の選択肢が広がり、進路指導や面接の効果も一層深まる。オープンキャンパスは、夏期講習の時期と重なるので、原則として講習のない日に行かせている。

■ 生徒の進路意識
 本校の場合、入学時点ですでに関関同立を志望する生徒は多い。ただし、2006年度の1年生は生徒・保護者ともに、例年以上に国公立大学志向が強い。京都大学・大阪大学・神戸大学を目指す生徒も増えつつあり、学校側としても早急に対策を講じている。

■ 保護者の意識
 保護者の間でも、関関同立に入れたいという人が目立つ。本人の希望を尊重したいという保護者が多くなっているのも、近年の特徴だ。保護者と生徒、学校で意見が食い違うということはあまり起こらない。

図表


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