[ 親が「専門学校より大学に」 ]
親や先生に大学進学を勧められるまで、専門学校に進むつもりだった。1年生から放送部とパソコン部に入っていて、情報分野に興味があった。パソコン検定やワープロ検定にも合格していたし、さらにレベルの高い資格を取るには専門学校の方がいいと思ったからだ。高校には、進学する人もいれば就職する人もいて、受験一色という雰囲気ではなかった。成績が上位というわけではなかったので、大学のことはほとんど考えていなかった。
しかし、親に専門学校進学の希望を伝えると、大学はどうかと勧められた。「ただ資格を取るだけでなく、大勢の人と出会い、いろいろな経験をして、視野を広げてほしい。そのためには大学の方がいいのではないか」と言われた。自分の考えに反対されて、最初はけっこう反発した。どうして大学がいいのかよく分からなかった。
担任の先生に相談すると、親と同じようなことを言われ、大学と専門学校の違いを詳しく教えてくれた。親や先生の意見には一理あると思ったが、納得できず、何度も話し合った。自分でもインターネットで、大学と専門学校のことを調べた。すると、大学でも資格取得の勉強ができ、情報分野以外の授業もいろいろあることが分かった。
[ アドミッションポリシーに共感 ]
大学でもいいかなと思い始め、情報分野の学部がある地元の大学を調べていたとき、先生から、今通っている大学のAO入試を勧められた。それまで九州に行ったことはなかったし、初めて聞く名前の大学だったので驚いた。大学のウェブサイトを見ると、資格取得のための勉強ができそうな情報系の科目がたくさんあり、自分の希望が実現できそうに思えた。内心、一人暮らしをしたかったので、地元から遠いというのも魅力だった。
AO入試がどういう入試か分からず不安だったが、募集要項を読むと、自分にも合格のチャンスがあるように思えた。私は、生徒会役員、放送部とパソコン部の副部長を務めていた。資格取得が趣味で、パソコン検定、ワープロ検定以外に、ビジネス検定、漢字検定などにも合格していた。アドミッションポリシーには、自分にとっての目標と重なることが書いてあり、この大学に行きたいと思った。私の希望や学力以外のアピールポイントを知っていたからこそ、先生はこの大学のAO入試を勧めてくれたのだろう。
親は一人暮らしに反対したが、大学に行く気になったことを喜んだ。学費が安く抑えられる公立大学ということで、最終的には賛成してくれた。
[ オープンキャンパスで受験を決意 ]
夏休みにその大学のオープンキャンパスに行った。校舎はきれいで、パソコンなども最新機器がそろっていた。先輩たちは親切で、質問に丁寧に答えてくれた。キャンパスで1日過ごしただけで、ここに行きたいと強く思った。このとき、やっと大学受験を決意したといってもいいかもしれない。
受験準備は、先生も協力してくれて、スムーズに進んだ。専門学校にはない大学の良さが分かったので、このAO入試が不合格になった時のことも考え、地元の私立大学について調べて志望校を絞っておいた。結果的に、AO入試に合格して、第1志望校に入ることができた。この大学を勧めてくれた先生に感謝している。
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