特集 志望校はこう選ばれている

Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
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私の進路選択ストーリー CASE 2

関西の私立総合大学 社会科学系学部1年(男子)

入試形態 ● 一般入試
出身 ● 関西の公立高校
通学(住居)形態 ● 一人暮らし(アパート)

オープンキャンパスと過去問で相性を確認し
第1志望校を決定

[ 3年になって考え始めた大学受験 ]
 高校は進学校だったが、受験について真剣に考え始めたのは3年生になってからだ。学校での模試の回数が多くなり、クラスメートとも受験の話をよくするようになった。周りで受験ムードが高まって、やっと考え始めたというのが正直なところだ。
 理系クラスにいたので、はじめは理系学部への進学を考えた。中学生の頃はロボットなどの機械に興味があったので工学部に行きたいと思っていたが、受験前にはこだわりはなくなっていた。しかも、数学と化学が苦手で、夏休みになっても模試の成績があまり良くなかった。
 むしろ、国語や英語の成績が伸びていた。親は「浪人してもいいから、後悔しない大学を選ぶように」と言ってくれたが、自分としては、あと1年勉強しても理数科目の成績が伸びるとは思えなかった。それなら今、頑張って、伸びた分の学力で行ける大学にしようと思った。
 9月、思い切って文転を決意した。クラスには文転した友達が数人いたので、受験対策の出だしが遅れたことにあまり不安はなかった。推薦入試は、成績が追いつかず、面接も苦手だったので、最初から頭になかった。苦手な数学と化学のことを考えると国公立大学は無理と判断し、私立大学に絞ることにした。

[ 浪人が嫌で合格可能性を優先 ]
 親も文転には反対しなかった。ただ、私立なら地元の有名大学に、という条件だった。姉の受験の際に、親も大学のことをいろいろ調べたらしく、教育内容や就職率などからそう思ったようだ。
 志望校を決めていなかったので、親の勧めに従って、姉の通う大学と今通っている大学のオープンキャンパスに行った。その結果、今通っている大学の方が自分に合うと思った。それまでに大学案内や受験情報誌を読んではいたが、やはりその場に行って雰囲気を味わうのとは印象が違う。なぜと聞かれてもうまく説明できないが、今通っている大学の方が好きだった。
 この大学がいいと思ったもう一つの理由は、過去問に挑戦した結果が一番良かったことだ。受験科目の英語、国語、数学に取り組んだところ、最も解きやすかった。相性がいいとでもいうのだろうか、思った以上に手応えがあったので、このまま頑張れば合格できるのでは、と思えた。浪人はしたくなかったので、少しでも合格の可能性が高そうな大学を受験したいというのが、正直な気持ちだった。
 経済学部を第1志望にした。その頃、景気回復や株のことなどビジネス関連のニュースがよく流れていて、就職に有利だと思ったからだ。
 受験校をすべて決めたのは、出願ぎりぎりの12月だった。今通っている大学は商学部も受験し、他大学も経済系の学部にした。最終的に第1志望のところに入ることができた。スタートは遅かったけれども、今はこの大学を選んでよかったと思う。


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