創刊号発行までの道のりは決して平坦ではなかった。最も大変だったのは、費用の工面だ。制作費80万円のうち８割は学友会費の負担で、残りは同窓会と父母の会に協力してもらった。「学友会費の用途は、学生大会総会の承認の下で決められる。『むさし』のリニューアル版で高校生の需要が確認されたこと、2006年以降も作製を担当するメンバーがいるので継続性に問題はないということを説明し、承認を得た」と中里さん。広告は一切入っていない。
　配付先は、全国約700の高校、教育関連の出版社、卒業生の就職実績のある企業、交流のある大学などだ。高校のリストアップは、入試課に依頼した。推薦入試の指定校、武蔵大学への進学者が多い高校、今後受験者を増やしたいと考えている高校に送付している。
　地元・練馬区の教育委員会の協力で、区内の図書館や青少年館といった公共施設、最寄りの地下鉄の駅にも置いてもらい、自由に持ち帰れるようにした。地域住民と大学との交流を深め、大学のイメージアップにつなげたいと考えている。