■進路支援に対する関心は?
本校では、職業研究や学問研究を通じて、将来何をしたいのか考えさせながら、大学を選ばせている。その過程で、この大学からはどこに就職できるのか、そのための支援はどのようなものなのかというところまで調べる生徒は少なくない。進路支援制度が充実しているかどうかは、生徒が大学を選ぶ上で多少の影響はあると思う。
私自身は、大学は学問を学ぶところ、研究するところという意識が強い。志望校を選ぶ際には、卒業生がどこに就職しているのか、どんな資格が取れるのかということよりも、何を学びたいのかを中心にして考えさせるようにしている。
■どのようなプログラムが有効か?
社会体験が少ない生徒が増えている。大学でのインターンシップなどを通じて、実際の仕事に触れる機会が増えているのは望ましい傾向だと思う。人と触れ合い、社会の一端を体験することは、職業観を身に付ける上でも重要だ。
■進路支援制度に望むことは?
何らかの資格を取得させたり、スキルを身に付けさせたりすることで、ストレートに就職に結び付けることは大切かもしれない。
しかし、もっと重要なのは、自分の希望する職業に就けなかったとき、あるいは就職した企業が自分に合わないと感じたとき、新たな希望に向かって努力していける力を身に付けさせることではないだろうか。高校も含めて社会全体で考えていかなければならない問題だが、大学のキャリア教育にもそうした視点を盛り込んでもらえるとうれしい。
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