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Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
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体験型プログラムで生きるパワーを与える

 自己啓発を支援する活動としては、「S-cubeセミナー」がある。新入生の関心が高いテーマを選び、必要な情報提供を行って意識を高めさせることが目的だ。例えば、「先輩に聞こう」シリーズはぴあメンターの拡大版ともいうべきイベントで、テーマに関して経験を持つ上級生4〜7人を下級生約30人が囲んで話を聞く。こうしたセミナー以外にも、S-cubeが独自に実施する「TOEICテスト対策講座」などがあり、自己啓発と同時に学習スキルの向上にも寄与している。
 学生生活の活性化をサポートするのは、「体験型プログラム」だ。新入生向けの代表的なプログラムは、「フレッシャーズキャンプ」と「エンパ ワーメントプログラム」だ。
 フレッシャーズキャンプは、新入生を対象に行う1泊2日の合宿形式のプログラムで、4月中に2回行われる。学部・学科を超えた友達づくり、上級生や教職員との交流が目的だ。新入生の参加定員は1回80人で、上級生のスタッフが20人参加する。学部・学科によっては宿泊形式の新入生キャンプが行われているが、大学生活全般を扱うS-cube主催のものとは異なる。
 エンパワーメントプログラムは、自然の中での様々な活動を通し、自分を見つめ直すことをねらいとする。例えば、山中の修行道場での滝巡礼、作陶、樹林気功、断食などのプログラムがある。「100%の力を出し切らずに毎日をそつなく過ごしていると、その人が本来持っている力がしぼんでしまうのでは、という発想から生まれた。大学への適応というよりは、もっと根源的な問いかけともいえる『生きるって何?』を追求することで、その学生の力を引き出せたら」と、大亦係長は言う。参加者は新入生に限定されていないが、1・2年生が優先される。


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