調査分析

Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
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  一方、教育評価を問う設問では、「大学での学習の目的が示されている」と考えている学生は全国で全体の68.2%である。回答を寄せた学生 10人のうち6〜7人は、所属大学の学習の目的は伝達されていると感じており、東海地区に限ると75.7%で、前年に比べ5ポイント以上増えている。「学生の理解度に応じた授業が多い」と感じる学生は、関西地区で52.6%であり、前年比で5ポイント以上増であった(図7)。調査対象大学が個々に進めているFDの取り組みによって、少なくともその意図は学生に伝わりつつあることが分かる。個々の講義やゼミの中で、教員が何のために学ぶのかを伝え、学生に主体的に学ばせる工夫を行うことが、学習における学生の成長や成果を生み出すために大切であろう。

図表

 「総合的に見ると、通っている大学に満足していますか」に対する回答は、「満足している」「まあ満足している」を合わせると、全体の91.0%の学生が所属大学に満足感を覚えており、ほぼ前年と同じ数値である(図8)。一見健全な傾向に見えるが、反面、ほぼ11人に1人の学生が所属大学への満足感を喪失しているともいえる。入学時の期待と現在の評価の差のデータを併せて考えると、所属大学に総じて満足感を持てない学生は、全国平均でおよそ1割いると考えられる。
 このような学生に学習放棄や中途退学をさせてしまわないよう、学生に対するケアと満足度のさらなる向上のための施策を、大学が組織的に考え、実行することが不可欠といえるだろう。
 図8は、総合的な満足度に加え、友人や後輩へのお勧め度や校風への好感度を示したものである。次のPart2では、特に校風への好感度について見てみることにする。

図表


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