キャンパス集中化は、共立女子大学の志願者数に大きな影響を与えた。
2005年度一般入試Ａ日程の志願者が1342人だったのに対し、集中化初年度となる2006年度は1878人、2007年度は2231人と、２年間で約900人も増加した。田渕入試事務室長は、「キャンパスを都心に移転したことで、千葉県や茨城県の志願者が増えた。東京都からの志願者が中心であることに変わりはないが、広報のターゲット層は確実に広がった」と話す。八王子キャンパスでは遠距離通学になると敬遠してきた関東東部に住む受験生にとって、同大学は自宅通学圏となり志望校として視野に入ってきたようだ。オープンキャンパスの参加者も激増し、毎年、前年度を上回って増えているという。
　「気を付けなくてはならないのは、志願者数増加が集中化の『成果』ではないということだ」と、平井事務局長は気を引き締める。
　「志願者数増加についてはプラスに考えたいが、教育を継続していくという根幹を考えると、卒業してから『共立女子大学に入学してよかった』と言ってもらうことこそが本当の成果といえる。さらに、卒業生を受け入れる企業などの評価も測る必要があるだろう。そう考えると、集中化の成果は数年後でないと分からないし、大学文化がどう変化するのかもこれからのことだ。ただ、本学に入学したロイヤリティをいかに持ってもらうかという仕組みは出来上がった。これを基盤に、今後も改善を積み重ねていきたい」

写真２　教育ネットワークシステム「kyonet」を導入。履修登録やシラバスの確認、課題提出などのほか、休講情報の携帯電話への転送にも利用されている