全学のアドミッション・ポリシーは、各学部のポリシーにどのように反映されているのだろうか。経済学部を例に見てみたい。
学部長、副学部長、学部長補佐の3人から成る学部執行部が、ミッションステートメントと基本コンセプトを基に、ベースとなる文案を作成。2度の教授会での検討を経て、学部の合意として最終的な形にまとめた。
一見して気付くのは、難解な語句や大上段に構えた表現を極力避けていることだ。「大学で勉強するだけで、つながりって見えてくるの?」「経済っておもしろい」など、学生の視点に立った内容、言葉遣いで表現されている。
「アドミッション・ポリシーを受験生に読んでもらうことが第一義。硬い文章では、ほかの大学と差異化ができない。平仮名の中に漢字が浮いているような文章を意識した」と、徳永教授は述べる。
基本コンセプトである「つながる力」は、同学部のアドミッション・ポリシーの文言にも色濃く反映されている。「4年間のつながりの中で、皆さん一人ひとりの『つながる力』を育てていきます」というメッセージを通して、人間関係が希薄になりがちな若者に連帯の大切さ、素晴らしさを呼びかける。徳永教授は、「本学のミッションステートメントも基本コンセプトも、『人間的実学』の考え方がベースになっている。経済を学ぶには、思いやりや愛など、形にならないものにも気付かなければいけない。そうした人間的なつながりの大切さに共感してくれる学生に入学してほしい」と思いを語る。
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