2006年度の合宿ワークショップ研修には、職員が教員と一緒に参加するプログラムは設定されていなかった。事後アンケートの結果、参加した職員から教員との交流を望む声が上がり、ＳＤ活動２年目の2007年度の合宿ワークショップ研修には「教員・事務職員協働ワークショップ」を取り入れた。
　参加者は教員21人、職員10人。教員は従来通り新任教員の参加だったが、職員は前年度の参加者以外ということで係長クラスが主体だった。
　教員・事務職員協働ワークショップは、研修２日目の午前中に70分間行われた。１グループを教員５人、職員２、３人とし、計４グループに分かれた。グループごとに、（１）学生に対する対応に問題がある一部の教職員をどうしたらよいのか、（２）学生と教職員の交流が持てるようにするにはどうしたらよいか、の２テーマから１つを選んだ。
　あるグループでは、学生から寄せられた教員・職員の対応への不満を１例ずつ挙げ、その対応についてどのような点が問題であるかを議論し、改善策を探った。参加した教員が新任だったため、職員はおくせず意見を言え、「教員も職員も学生に対して丁寧に説明を行うことが重要」という意見にまとまった。
　参加者への事後アンケートには職員から次のような声が寄せられた。
　「教員と私たち職員が、学生サービスに対して同じような考えを持っていることを理解できた」「学生を実際に教える教員の事情や考え方に大きな相違があることが分かった。日常業務においても、教員とコミュニケーションを図りながら考えていく必要性を痛感した」
　「教育や学生生活の支援の場面で、教員と職員の連携・協力の必要性と重要性を強く認識できた」と、曽田センター長は学内初の教職員協働ワークショップを評価する。
　ＦＤ推進プログラムには、職員が参加する活動がほかにもある。
　１つは、「ＦＤラウンドテーブル」だ。教育技術、教材開発などをテーマとした、参加者10人程度の討論会。教員、職員、大学院生、ティーチングアシスタントが参加する。
　２つ目は、「教育カンファレンス」だ。教育改善の取り組みについての発表会で、毎年、年度末に１日かけて行う。2007年度は口頭発表15件、ポスター発表12件、学外からの発表１件が行われ、聴講者は計123人、うち26人が職員だった。
　「各学部に対し、できるだけ職員も発表を聴講してほしいと呼びかけたところ、予想以上の参加があった。職員にとって、教員がどのような課題意識を持って授業に取り組んでいるかを知る好機になった」と三好係長は話す。