ＦＤ推進プログラムは2008年度から2010年度までの第３期を迎え、新たな展開を見せている。2008年度に施行された学士課程でのＦＤ義務化を受けて、全学体制で行うＦＤ活動はファシリテータ養成と全学共通教育に特化し、ほかの活動は各学部にＦＤ委員会を設置して進める。
　ＦＤ活動は教育現場の課題を知るという意味でＳＤにもなるとして、職員に対してＦＤ活動への参加を積極的に呼び掛け、授業改善への意見を期待する。また、教職協働の研修については実施時期を検討中。教職協働に対する意識改革を行うには、まず一緒に仕事をする機会を与える必要があるという考えから、研修とは違う形での教職協働の場を設ける考えもある。
　ＯＤについては、第２期に始めた「教育の質を向上させるための学生ワーキンググループ（ＷＧ）」を活用する。これは「大学教育委員会」が主体となり、学生、教員、職員が同じテーブルを囲んで話し合う活動だ。2007年度に「第１回学生の学習に関する実態調査」を実施し、予習・復習の時間数、試験前の勉強時間などを全学規模で調査した。その結果、学習時間の少なさやオフィスアワーの利用度の低さが浮き彫りになった。学生ＷＧで学生の行動や意識をつかみ、ＦＤ活動に生かしていく考えだ。三好係長は「学生の意見を直接聞くことが、教育改善のカギ」と期待を込める。
　曽田センター長は、今後、教育活動において教職協働はますます重要になると考える。
　「教員も大学の財政や制度について知らなければ、研究費の確保もままならない。制度を熟知している職員と役割を分担し、連携を進めていく必要がある」
　徳島大学では、教員と職員それぞれの研修を充実させつつも、できる限り教職協働の場を設ける方針だ。