今後の課題は、授業公開やアンケートから明らかになった課題を解決するための新たな仕組みを構築することだ。
　長谷川信副学長は、「教育インフラなどの学務的な要求に応えるためには、時間と労力、予算的な裏付けが重要だ。また、授業公開で明らかになった課題を、個々の教員が授業改善に生かすための仕組みも必要。全学的にＦＤ活動を統括する新たな組織やシステムづくりが今後の課題」と現状を分析する。
　今後はＦＤプロジェクトチームを発展的に解消し、全学のＦＤを統括するＦＤ委員会組織を立ち上げる予定だ。その上で、教育インフラの充実を図る「教育支援システム」、教員のスキルアップをめざす「教育改善システム」を整備し、個々の教員が目標管理的・自律的な授業改善を行う体制を構築していく。
　わずか３年で全学的な活動に発展しつつあるのは、教職員が自由な環境で率直に意見交換を重ねてきたベースがあるからにほかならない。今後は、ＦＤプロジェクトチームの機動力と自由な環境を残しつつ、全学的な組織に発展させる計画だ。
　「本学にはミッション系の大学特有のアットホームな雰囲気がある。伝統の良さを生かし、教職員、学生が一丸となって教育改善を進める仕組みをつくっていきたい。それが、本学らしいＦＤ活動の構築につながるだろう」と、長谷川副学長は今後を展望する。