調査企画

Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
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結果分析1

入学時の志望順位や難易度の違いは
「満足度」「成果」に影響を及ぼすのか

入試難易度や入学定員、所在地といった大学固有の条件、
また、性別や志望順位といった学生個々の属性が、満足度や成果に影響があるのかを分析した。

「満足度」に影響しない志望順位の違い

  図1〜7は、教育内容に対する「満足度」に関する27項目を9つの指標(満足度指標)に、学生生活で身に付いた力に関する30項目を6つの指標(成果指標)に分類し、7つの条件別に平均値を比較した結果である。
 全体平均値は図1の中に示した。「満足度指標」を見ると、「授業」「カリキュラム」「教員」「キャリア教育」「地域貢献」「国際交流」に対する学生の満足度は、そのほかの指標と比べて低い数値が出た。「成果指標」の「ストレス耐性」「リーダーシップ」についても、学生生活の中で身に付いたと感じる学生が少ないことが分かる。男女別に比較すると、男子よりも女子の方が両指標ともにほとんどの項目で高い。
 図2は、女子大の女子と共学の女子との比較である。「授業」「カリキュラム」「教員」の満足度は女子大の女子の方が高く、女子大にとってはアピール材料になるだろう。しかし、「キャリア教育」を見ると、共学の女子の方が高い。「キャリア教育」に関しては、女子大の学生は物足りなさを感じているようだ。
 図3は、第1志望での入学か否かという志望順位で比較した結果だ。満足度指標と成果指標とも、志望順位による差はほとんど見られない。入学時の志望順位が低くても、一定の教育サービスを受けたことによって、「その大学に満足し、様々な力が身に付いたと感じている」という結果になった。やはり、大学のあるべき姿は、入学した学生をいかに育てるか、ということだろう。

図
図
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