連携校の推進担当者にインタビュー

---

立命館大学　教学部教育開発支援課

新野豊　氏

2008年2月、立命館大学教育開発支援課の新野氏は、山形大学の小田教授から
連携の話を持ち掛けられた。その4カ月後には包括協定を締結。
新野氏とプロジェクトを担当するスタッフに、連携の背景を聞いた。

課題の共通性を感じて

---

　山形大学とは「学生・学習者中心」という考え方、FDや地域との連携に力を入れている点など、教育改革の方向性や、抱えている問題意識に共通点があります。山形大学の小田先生から突然、連携の話を持ち掛けられた際は驚きましたが、そのような共通性から「相互に学べるものが大きいはずだ」と感じ、大学に持ち帰りました。その後、山形大学のスタッフとの意見交換や、学内諸会議での検討を通じ、その確信はさらに強まりました。

互いの良い部分をモデルに

---

　以前なら「国立と私立は違う」と、自分から壁をつくってしまったかもしれませんが、今はそのような時代ではありません。設置形態、地域、規模に関係なく、互いの良い部分をいかに吸収するかが、今後の大学改革のカギを握ると思います。共通性と異質性の双方を見いだせる山形大学との連携には、多くの成果を期待しています。
　山形大学は、事務組織が柔軟かつコンパクトで、情報共有や意思決定が早いことに驚かされました。連携の推進においては、山形大学をモデルに、学生支援やFD支援などの部門、および人事、広報などの職員と教員とが部門の垣根を超えて協働するプロジェクトチームを設置し、学生交流やSD連携などに取り組んでいます。これまでにはあまりない取り組みのため、業務や役割が違う部門の若いスタッフの協働により、余計に時間を要することもありますが、それぞれの部門の強みや課題、考え方の違いを共有できるなど、すでに効果が表れています。
　１年目は「種まき」の時期だととらえています。プロジェクトチームで、まずは話し合いをじっくり進めてアイデアを出し合い、今後、より具体的な活動を取り入れて、実りある連携にしたいと考えています。