特別企画

Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
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早稲田大学と教育研究協力に関する
包括協定を締結

互いのノウハウを交換

 関西大学は、2007年の大阪大学との連携に続いて、関西地区以外の大学とも連携を進め、新たな学びのかたちを創出しようと考えている。注目すべきは、2008年5月に発表された早稲田大学との「教育研究協力に関する協定」だ。教育、研究産学連携、地域社会への貢献について包括的に連携を進める。少し前から非公式に話が進み、本年、関西大学の学長と早稲田大学の総長との間で合意を見た。
 これを受け、2008年6月、関西大学千里山キャンパスでアメリカンフットボールの交流戦が行われた。また、入試広報の連携として、同年8月には、オープンキャンパスで互いのキャンパス内にブースを設け、出張オープンキャンパスを開催した。関西大学入試センター入試広報課の担当者は「お互いに窓口を設けてやりとりをしている。投げたボールをすぐに返してくれるので、話が進みやすい」と話す。
 今後は、互いに学生交換を行う国内留学制度の実施や、人事研修プログラムの交換、総長学長懇談会などを予定。入試広報については、地方の入試説明会を合同で行うことを計画している。

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早稲田大学で行われた関西大学の出張オープンキャンパス。模擬授業では、高校生たちは熱心に耳を傾けた。

連携で魅力ある大学に変革

 2009年4月に外国語学部を新設する関西大学は、今後、国際的な視野に立った連携を強化したいとしている。そこで、異文化共生型キャンパスの建設や海外の大学との共同プロジェクト推進など、積極的に国際化に取り組む早稲田大学からノウハウを学びたいという思いがある。
 現時点では、両大学の海外拠点同士が連携して共同のプログラムを実施する、海外の提携校の留学生枠を融通し合う、といった案が検討されている。
 芝井副学長は「1つの大学で同じことを行っていても、なかなか新しいアイデアは出てこないが、異なる大学がお互いにノウハウを学び合えば刺激になる。相手の現場を見ることにより新たな発想もわいてくる」と、連携のメリットを説明する。
 連携の目的は、学生にとってより魅力的な大学づくりを行っていくことにある。両大学では、今後も現場のスタッフが積極的に新しい連携事業のアイデアを出し合い、実行に移していく予定だ。


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