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学部とのパイプをつくり
教育改善の方法を模索
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現在、大学評価情報室がカバーしている情報は、ウェブページや『ファクトブック』に掲載する組織情報、および大学評価情報システムに入力されている教員情報のみだ。学生の授業アンケートなど、学部の教育改善に活用できる情報は、高等教育開発推進センターや高等教育機構などが管理している。全学的な教育改善の提案については、それらの部署が行う予定だ。
IR組織に教育改善の役割を求める意見があることは確かだが、大学評価情報室だけで学内のすべての情報を一元管理するのは不可能だ。まず学内で情報を共有するための基盤を整備すること、各部局が情報を活用して改善するためのノウハウを蓄積することが先決だと考えている。それが、組織全体を横断的に眺めることができる大学評価情報室の使命だという。
ただ、「教育」と「マネジメント」の役割分担を明確にしすぎると、従来のような縦割り体質が温存される可能性がある。そこで、高等教育開発推進センター、企画課、教育開発企画支援室などに呼びかけ、データ共有の仕組みを検討し始めた。複数の組織の連携により、データを共有できる環境を整え、相乗効果を発揮したいという思いがある。
学部との連携も始まった。学生の教育にかかわるデータを保有している学部との間に太いパイプをつくり、教育改善支援のノウハウを確立することがねらいだ。現在、特定の学部をパイロットケースとして、情報収集を行っている。大学評価情報室の高田英一准教授は「効率的な情報収集の方法を探り、分析とフィードバックを通して学部の活動をサポートすることが可能かを試していきたい」と述べる。
データ分析の精度を高めていく計画もある。2008年度からは、情報を戦略的に分析した上で、改善に資する提言を行い、テクニカルレポートとして『ファクトブック』を定期的に発信する。
さらに、他大学との連携も深めていく。2007年度から開催している「大学評価担当者集会」に、2008年度は国・公・私立大学26校から70人の参加者があった。2009年度からは連携のための恒常的な「大学評価コンソーシアム」（仮称）を設立し、ノウハウの共有や課題解決の議論により、日本版IRを急速に推進させたい意向だ。 |
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