特集

Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
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CASE2

使命を果たすために
ビジョンを明確化する評価体制を確立

神戸大学


神戸大学では、2006年度に「神戸大学ビジョン2015」を策定した。
世界トップレベルの研究・教育機関をめざす。
この達成度を評価するのが、学長直轄の経営評価室だ。
研究・教育活動だけでなく、大学経営に関する情報の収集や分析なども行う大学評価システムを導入し、教育力向上に役立てている。

国際的競争力を持った研究・教育機関への道

 神戸大学は「神戸大学ビジョン2015」を掲げ、2015年度の到達目標を明確化した。めざすのは、世界トップレベルの研究機関と教育機関になり、卓越した社会貢献と大学経営を行う「グローバルエクセレンス」の実現だ。そのために「チェンジ」「チャレンジ」「エクセレンス」の3段階のステップを踏んでいく。
 このビジョンは「真摯・自由・協同」という理念を礎とする「神戸大学の使命」に基づき、2006年度に策定された。経営評価室長を兼ねる中野常男理事・副学長は「多くの前身校・機関の集合体である本学は、近年にも県立大学や他の国立大学を統合するなど、ある意味で“寄せ集め”所帯。各部局がバラバラな方向を向かないように、国立大学法人としての全学的なベクトルを合わせておく必要があった」と、策定の背景を語る。
 2015年度は、法人化して2期目の中期計画が完了する。現行の中期目標・計画は、法人化の慌ただしい状況の中で策定したため、記載項目の統一感に欠けるところがある。そのためこのビジョンには、次期中期目標・計画の策定に向けた全学的なフレームワークづくりという意義もあった。
 具体的な方向性としては、まず、研究・教育面での戦略的・独創的な取り組みや、その可能性があるものを選定。次に、若手研究者への支援や戦略的な資源配分を行いながら、成果を恒常的に創出できるような環境を整える。そして最終的には、国内のみならず、世界でもトップレベルの研究分野をつくり上げ、大学の特長と競争力を内外に明確に打ち出していく。

図

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