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Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
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IR独立組織が大学運営にも関与

 ミッションの明示やビジョンの提示と並行して、大学運営を自己評価する体制づくりも進められた。法人化直後の2004年4月には学長の直属機関として「情報・評価室」を設置し、研究・教育活動に関する情報の収集・分析や、評価体制の整備を進めた。しかし、第三者評価や法人評価などの大学評価に対応する業務の量が膨大になることが予想されたため、翌年には「経営評価室」と「情報管理室」に改組した。
 2008年度に神戸大学は、大学機関別認証評価、国立大学法人評価、専門職大学院認証評価をまとめて受けている。そのため、経営評価室は、これらの評価に対処する業務に追われることになった。だが、その過程で、大学の情報収集・分析に関するノウハウが蓄積されたという。
 経営評価室の浅野茂助教は、「ここには、大学のあらゆる部局から研究・教育に関するデータが集まる。情報の整合性をチェックし、加工して蓄積したり、評価機関に提出したりするなどの業務を通じて、各部局の活動状況をどこよりも早く正確に把握できる。大学全体を俯瞰することができる組織だ」と評価する。
 経営評価室は、中野室長と浅野助教のほか、神戸大学情報データベース「KUID」の運用を行う兼務教員1名、事務補佐員2名の5名体制。しかし実際には、大学本部の企画部とも連携し、事務組織である企画部企画課と協働している。
 これまでは、評価の結果が大学運営に反映されにくい面があったが、経営の企画立案を行う部署と連携することにより、実質的には評価に基づいた企画提案などが可能になった。

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