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Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
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目的意識のやや弱い学部がリベラル・アーツに強い関心

  開学時期は、学制改革以前、学制改革後から大学設置基準大綱化まで、大学設置基準大綱化後で区切って集計した。伝統校ほど、ややリベラル・アーツ教育志向が強いことがわかる。中間のグループと最も新しいグループの差がより大きく、新しい大学でのリベラル・アーツ教育志向の相対的な弱さを指摘することができる。
 一方、学部開設時期で見ると、最も新しいグループでリベラル・アーツ教育志向が強く、開学時期との逆転現象が起きている。大学設置基準大綱化後に設置された学部は、既存の教養教育から新しい教育体系への転換に、より積極的であると推測される。このことがリベラル・アーツ教育への関心につながっているのかもしれない。
 学部定員別では、199名以下の小規模学部で相対的にリベラル・アーツ志向が弱く、中規模学部と大規模学部との間に大きな差はないことがわかる。
 目的意識の項は、ここ2、3年の新入生について、「大学進学の目的意識が強い」という評価がどの程度あてはまるかを示している。「全くあてはまらない」という回答はごく少数であった。「あまりあてはまらない」と答えたグループは、「あてはまる」と答えたグループに比べて、リベラル・アーツ教育志向が強い。学生の目的意識が弱いという問題を抱える学部では、幅広い知識を身に付けさせ、多様な進路選択を可能にしようとしていると読み取ることができそうだ。

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