教養教育の改革というと、どうしても、リベラル・アーツの先進地域である欧米に範を求めがちだ。しかし、文化、社会情勢、学生の気質が異なる日本にそのまま持ち込んでも、欧米と同じ成果は生まれないだろう。玉川大学では、継続的な学生アンケートやインタビューを通して学生の実態を十分に把握し、課題を浮き彫りにしたうえで、海外の事例を参考にしている。
「IRの観点からも定量調査は重要だが、学生や高校教員へのインタビューなどの定性調査もおろそかにすべきではない。生の声こそが改革の原動力になる」と、菊池氏は強調する。
学生を理解することが改革の第一歩であるという基本を、あらためて教えられる事例といえよう。
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