特集

Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
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CASE2 高校との連携

高校への支援で高める
キャリア教育の整合性・連続性

香川大学


香川大学は、「早期からのキャリア意識の涵養」を目的として、キャリア教育の充実を図ってきた。
正課科目および正課外の活動を通して、低学年から学生のキャリア意識を高めるだけでなく、高校と連携して高校生の表現スキルの向上、高校教員の意識啓発にも努めている。

地域連携事業で高校生の進路選択の価値観を是正

   香川大学は、2004年に策定した中期計画・目標で「低学年次からのキャリア支援の推進」を掲げ、キャリア教育に着手した。2005年度には、正課科目として、1年次対象の「キャリア・デザイン入門」を開講。2006年度にキャリア教育の企画・推進を担う「キャリア支援センター」を設置した。同年、一連の取り組みが現代GPに選定されたことを追い風にして、センターを中心にカリキュラム再編に着手。「女性とキャリア」や、高学年向け教養科目「キャリア・デザイン実践講座」などのキャリア科目を順次、設けていった。
 地域連携は、香川大学のキャリア教育における最も重要な柱だ。「地域社会に根ざした大学」という理念の下、地域連携型キャリア教育を展開している。特に重視しているのが、高大連携事業だ。高校を地域社会の一部として位置付け、キャリア教育を支援している。
 高大連携に力を入れるねらいは、高校と大学のキャリア教育の整合性・連続性を高めることにある。本来、大学の1・2年次には、できるだけ多様な体験を積むことによって視野を広げ、3・4年次には、実際に就職活動をしながら選択肢を絞り込んでいくことが望ましいと、香川大学は考えている。しかし、今の高校生は、大学・学部・学科の選択にあたり「どのような資格が取れるか」「どのような就職先があるのか」といった狭い価値観にとらわれている感がある。
 アドミッションセンターの山崎裕正准教授は、「今の高校生の考え方では、将来の進路選択の幅を狭くする。大学の価値は資格取得や就職先だけではないことを伝え、価値観や活動の幅を広げるきっかけを与えたい」と話す。キャリアに対する「視野の狭さ」を是正したいという思いから、さまざまな取り組みを行っている。


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