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Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
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独立した取り組みから「学生支援」に発展

 現代GPの選定から3年がたち、キャリア教育は一つの節目を迎えた。この間の実績が評価され、2008年度に学生支援GPに選定された。そのプログラムの中で、キャリア教育は独立した取り組みではなく、学生支援の一部に位置付けられた。
 「キャリア」という言葉を前面に出す機会は減るが、これは取り組みの「後退」ではない。
 「本来、大学教育すべてが、学生のキャリア形成に資する教育であるべきだ。その意味では、キャリア教育という特別なプログラムがあること自体を疑問視する必要がある。キャリア教育という言葉をなくすことがゴールだと、われわれは考える」と山崎准教授は強調する。学生支援の一部に組み込まれたことによって、キャリア教育はさらなる深化を遂げたといえる。
 もっとも、乗り越えなければいけない課題は少なくない。葛城准教授は、「これまで、学内の理解を得ながら取り組みを進めることができたのは、GPという後押しがあったから。GPの選定期間が終わった今、キャリア教育の重要性について全学的なコンセンサスが得られているとはいい難い状況にある」と話す。
 今後は、ほかの取り組みとのバランスも考慮しながら、キャリア教育の位置付けを明確にしていく必要がある。香川大学のキャリア教育は、これから本当の意味での正念場を迎えようとしている。


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