特集

Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
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 取り組みの中でも、学生の高い支持を集めるのが、卒業生によるキャリア相談コーナー「キャリエール」だ。キャリアカウンセラーなどの資格を持つ卒業生が、職業選択、進学や就職活動など、キャリアにかかわるあらゆる相談に応じる。卒業生の職歴は、起業家、キャビンアテンダント、幼稚園教諭や百貨店従業員など、さまざまだ。現在、非常勤職員のカウンセラーとして9人が登録し、2人が常駐。利用は予約制で、10時から18時まで受け付ける。
 学生支援部キャリア支援センターの原田望課長は、「年齢は10〜15歳離れていても、大学の先輩であり同じ女性という安心感からか、学生は気軽に相談している」と話す。相談内容によっては、カウンセラーが別の卒業生を紹介する。卒業生との懇談会を企画することもあるという。

卒業生インタビュー


先輩と後輩の支え合いがキャリア形成を後押し


旧短大部文科英文専攻
1998年卒業

田中麻衣さん


 国際線のキャビンアテンダントをしながら、月2回、キャリエールで後輩の相談に乗っています。最も多いのは就職にかかわる相談です。「やりたいことが見つからない」「内定を複数もらった」といった相談から、エントリーシートの書き方や面接での受け答えの相談まで、内容はさまざまです。必要であれば、模擬面接の様子をビデオで撮影し、指導することもあります。
 多くの学生と接して感じるのは、私の学生時代と比べて、キャリアに対する意識がとても高いことです。
「この会社は5年で辞め、キャリアアップのために転職する」「長く働き続けたいが、育児休業などの福利厚生に不安がある」など、学生は5年後、10年後の自分の姿を描いたうえで就職について考えています。1年次からキャリア教育を受けてきた成果が、こうしたところに表れていると感じます。
 後輩の相談に乗って、逆に私たちが励まされることもあります。ほかのカウンセラーも、「自分にも同じことで悩んだ時期があった」「希望どおりの仕事に就けた自分は幸せだ」と、あらためて感じるそうです。
 先輩と後輩が支え合い、互いを高められるのも母校の魅力で、そうした関係が学生のキャリア意識をいっそう高めていると思います。


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