特集

Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
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大学は主体的に学ぶ態度を育てる場

 建学の精神の根幹は、新解釈に次のように位置付けられている。「健全で円満」とは、心身や人間関係が充実し、コミュニケーション力が十分に育まれている状態。新解釈の「心身ともに健全でたくましく」とは、まさにそういう状態であり、そこに、現代社会に必要な創造性や主体性を加味した。
 こうした力を育むには、単に知識を詰め込むだけでは足りないと、谷岡学長は強調する。「知識を自分の中で消化し、自在に使えるようになったとき、初めて『知性』になる。社会には白か黒か判断できないことがたくさんある。そのとき必要になるのが、自分なりの『モノサシ』。それが知性であり、本学が考える『人間力』だ」と話す。
 「至学館大学」という新名称にも、自分なりの学び方を身に付けてほしい(=学びに至る)という大学の思いが反映されている。
 当事者意識を持って学ぶことの大切さに気づかせるために、谷岡学長自らが教鞭をとる授業がある。短大1年次前期の「学生と大学」、大学1年次後期の「大学論」だ。各15回に及び、大学で学ぶ意味や主体性を持つことの大切さなどを説く。
 「最近の学生は、よく『関係ない』という言葉を口にする。戦争、格差問題、年金問題など、社会と自分とのつながりが見えていないために無関係に感じてしまうのだろう」と谷岡学長は危惧する。社会と自分とのつながりに気づかせ、自分に何が足りないのか、何が必要なのかが見えるようにしたいという。


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