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Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
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「学生本位」の学風で当事者意識を涵養

 大学の主役は学生であるという意識を育むために、「学生本位主義」という学風の形成に力を入れている。大学の構成員としての自覚を高め、主体的に大学運営にかかわらせることを通して「人間力」を高めるという趣旨だ。
 サークル、ボランティア活動、大学祭や入学式・卒業式のプロデュースなど、学生にできることはすべて任せる。それは、大学を「してもらう場所」から「自分から行動する場所」に変えていくための取り組みといえる。

学生の当事者意識

 新任教員を採用する際、学生の評価を参考にするのもその一つだ。学内の選考委員が複数の候補者に絞ったうえで、学生・教職員の前で模擬授業をさせる。
 学生は、「わかりやすさ」「態度」「もっと講義を聴きたいか」などの観点から評価する。「知性とはフェアな判断ができることでもある」という考えに基づく、学生の主体性育成の一環だという。新任の教員に、学生本位主義を周知させるインナーブランディングとしてのねらいもある。
 また、木材を使って廻廊やデッキを製作し、自分たちの憩いの場をつくり出す取り組みには、多くの学生が参加した。こうした作業には、学生の「微力感」を養う意味もある。
 「一人ひとりは『微力』でも、力を合わせると大きなことが成し遂げられるという気持ちを育て、社会を動かす主体としての自己に気づくきっかけにしたい」と谷岡学長は述べる。
 中京女子大学が定義する「人間力」には、健康力、知的視力、社会力、自己形成力、当事者力の5つの要素が含まれる。今後、「人間力」を大学独自の「学士力」として整理し、体系化・明文化する予定だ。

中京女子大学(至学館大学)の教育コンセプト

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