新任教員を採用する際、学生の評価を参考にするのもその一つだ。学内の選考委員が複数の候補者に絞ったうえで、学生・教職員の前で模擬授業をさせる。
学生は、「わかりやすさ」「態度」「もっと講義を聴きたいか」などの観点から評価する。「知性とはフェアな判断ができることでもある」という考えに基づく、学生の主体性育成の一環だという。新任の教員に、学生本位主義を周知させるインナーブランディングとしてのねらいもある。
また、木材を使って廻廊やデッキを製作し、自分たちの憩いの場をつくり出す取り組みには、多くの学生が参加した。こうした作業には、学生の「微力感」を養う意味もある。
「一人ひとりは『微力』でも、力を合わせると大きなことが成し遂げられるという気持ちを育て、社会を動かす主体としての自己に気づくきっかけにしたい」と谷岡学長は述べる。
中京女子大学が定義する「人間力」には、健康力、知的視力、社会力、自己形成力、当事者力の5つの要素が含まれる。今後、「人間力」を大学独自の「学士力」として整理し、体系化・明文化する予定だ。 |