特集
若原道昭

若原道昭学長

わかはら・どうしょう

◎京都大学大学院教育学研究科修士課程修了。同博士課程単位修得。龍谷大学短大部専任講師・助教授・教授、同短大部長、龍谷大学副学長を経て、現職。主な著書に『教育の原理と課題』『社会福祉と仏教』など。


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運営の指針となる長期計画を策定

龍谷大学

若原道昭学長

 龍谷大学は、西本願寺の「学寮」に始まる浄土真宗の精神を受け継ぐ総合大学だ。
 1975年から、長期計画に基づく大学運営を続けてきた。財政問題、18歳人口の急増と急減に対応するための魅力ある大学づくり、総合大学としての教育・研究の基盤整備、学部増設、カリキュラム改革、滋賀県大津市の新キャンパス設置、グローバル化への対応など、さまざまな取り組みを推進してきた。
 本年度は、10年間の「第4次長期計画」の完成年度だ。「共生をめざすグローカル大学」を21世紀初頭の龍谷大学像として掲げてきた。この長期計画は、2009年に迎えた創立370周年の記念事業とも連動している。特に、2011年4月、京都市下京区に開館予定の仏教総合博物館「龍谷ミュージアム」により、長期計画における大きな事業の一つを達成することになる。
 また、2008年度には、同じ宗門関係学校である平安中学・高校を付属校化した。大学の教員が協力して高校のカリキュラムを編成するなど、教育の接続が進んでいる。建学の精神が同じなので、このような連携が実現しやすい。
 現在、2010年度から2019年度までの「第5次長期計画」のグランドデザイン、および前期5年の第1期中期計画の策定が進行中だ。
 グランドデザインの検討は、「大学将来構想委員会」で行った。この委員会には、理事と、若手・中堅の教職員が参加する。そこで若手を育て、その人たちが将来、自分たちが作った計画を遂行する。私もかつては委員の一人として第4次長期計画の策定に携わり、現在はそれを推進する立場となった。
 学内の改革を進めるうえで重要なのは、信頼関係の構築だ。スムーズに合意を得るには、できる限り、意思決定のプロセスを透明化すべきだと考えている。

パネルディスカッションから

Q 教育ブランディングの原点は建学の精神にあると思うが、貴学では、どのようにとらえているか。

A 浄土真宗に基づく建学の精神は、変わることのない縦糸のようなものだと考えている。一方、時代によって変化する要素は横糸といえる。その時々の大学の姿を、縦糸と横糸で織り上げていく必要があると、学内では説明をしている。


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