2002年の学長就任以来、さまざまな改革を行ってきた。本来、元気な大学のはずだが、少し上品になり過ぎたように思え、この大学を元気づけたいという意識があった。
2005年に創立40周年を迎えた。この時、創立50周年をにらんでグランドデザインを策定した。一番のポイントは、教職協働で策定を進めたことだった。全教職員からアイデアを募集し、将来構想委員会や作業部会に職員を配置した。教員に不足している部分を職員がうまく補っている。現在は、各学部長の補佐として職員を配置し、さらに教職協働をしやすい体制を整えた。学長補佐の職員には、教授会での発言権を与えている。
2006年には、グランドデザインに基づくコミュニケーション・スローガン「POWER UNIV.」を制定。あらゆる局面で必要となる多様な力(POWER)を表した。
本学の建学の精神は、「大学の使命は、将来の社会を担って立つ人材の育成」だ。学生には、壁にぶつかってもへこたれずに乗り越える力が求められている。開学当初は、根拠はなくても自信を持つ元気な学生が多かった。今の学生が自信を持ちづらいとすれば、受験時の偏差値があるからではないか。偏差値が低い者は高い者に勝てないと考えてしまう。しかし、それは違う。
そんな誤解を払拭するために、「サギタリウス・チャレンジ」というプログラムを実施している。4つの部門を設け、学生のさまざまなチャレンジに奨励金を出して支援している。2009年度には、失敗談が応募の対象となる「グッド・トライ部門」を新設した。
「これらの大学改革は何のために行うのか」と問われれば、「卒業生が胸を張れるようにするため」と答える。在学生はもちろん、卒業生は大学の財産だ。卒業生が誇りを持てる母校であり続けたい。
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