特別企画

Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
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出張講義をきっかけに高校生と共に清掃活動

 ユニークな取り組みとして、学生が講師を務める出張講義がある。ふじみ野キャンパスの近くにある埼玉県立福岡高校と交流を重ねるうち に、高校から定期的な出張講義を依頼されたのがきっかけだ。2009年度は3年生を対象に、環境教育をテーマとした50分授業を1日2コマ、5週にわたって実施した。環境教育研究センターで環境問題を研究している12人の学生が、4クラスに分かれて授業を担当。講義の方向性は教員が示すが、具体的な内容や活動の詳細は学生に任せる。
 講義を統括する、環境教育研究センター長の中山智晴准教授は、「大学教員が講師だと、高校生は話を聞くだけで満足しがちだが、学生が講師の場合、質問を気軽にでき、それをきっかけにして交流が生まれる。実際、教員が関知しないところで、学生が高校生から相談を受けて、地域の清掃活動へと発展した例もある」と話す。
 これらの経験を基にしたプログラムが、2009年に(独)科学技術振興機構の「サイエンス・パートナーシップ・プロジェクト」に選定された。中山准教授が中心となって担当する「生物多様性に富む社会を作る『ビオトープ計画』体験学習講座」では、東京都文京区内の私立中学6校、私立高校6校と連携。学生はスタッフとして参加する。
 「学校インターンシップ」も、学生が学校を支援する取り組みだ。教育実習とは異なり、教員のアシスタントとして、日常の教育活動の補助や部活動の支援などを行う。大学が文京区、埼玉県ふじみ野市と協定を結び、市区町内の小・中学校や高校に、原則として半年間、派遣する。希望者は学内で募り、選定する。修了すると2単位が認定される。派遣先の学校から実習終了後も支援を依頼されるほど好評で、学生と児童・生徒との交流が独自に続くこともある。
 地域貢献の観点でも高大連携は有効だと考え、今後も力を入れていく方針だ。


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