特別企画

Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
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高校と大学の学びの連続性がわかる学習内容

 高校・大学接続教育支援プログラムは、ベネッセコーポレーションと共同開発した。eラーニングによる教科学習とプログラムの事前・事後テスト、学習意識調査、先取り講義、生徒・保護者それぞれの学内ツアーなどから成る。2009年2月に初めて実施した。
 eラーニングによる教科学習は、在宅型ではなく通学型で実施。在宅型のeラーニングは「いつでもどこでもできる」というメリットがある半面、「いつでもどこでもしない」という状況にもつながりかねない。文系学部進学予定者には英語と数学II、理系学部進学予定者には数学IIIと物理を課し、各科目5回の全10回実施した。
 学習内容は、高校までの学びと大学の学びの連続性がわかるようなものにした。高校の復習によって基礎学力を高めることを主眼にしなかったのは、3年間で身に付かなかった力を、短期間の入学前教育で習得・向上させるのは難しいと考えたからだ。それよりも、「授業についていけないのでは」「進学する学部で何を勉強するのか」といった不安を取り除き、モチベーションを高めることに力点を置くようにした。
 例えば、一次関数を取り上げるときには、大学の物理で学ぶ力学を理解するために必要な知識であることを示した。その際、動画による在学生・卒業生からのメッセージ、漫画を活用。「高校での学びが大学の勉強に生かせる」「それほど難しくない」「やろうと思えばできる」という気持ちを引き出すのがねらいだ。さらに、大学教員による先取り講義を2回行い、大学生活で心掛けるべき点や学問の面白さなどを伝えた。


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