特別企画

Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
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高校教員と協働して教材を作製

 起業教育研究会の成果物の一つは、高校で起業教育を実践するための指導書「起業教育ワークブック」だ。
 高校での起業教育には、教科書や教材がない。研究会で情報交換をするうちに、高校現場で使いやすい指導書や教材に当たるものを作ろうという機運が高まり、大学教員10人と高校教員13人で編集委員会を組織し、1年半かけて2005年3月に完成させた。
 全体の枠組み、章立てを決め、章ごとに大学教員と高校教員の担当を割り振った。大学教員がつくったたたき台に、高校教員が肉付けし、全体の原案が出来上がると、高校教員が実際に授業で使い、その意見をふまえて修正を加えていった。
 ワークブックは、消費者ニーズの発見、ニーズに対応するアイデア、企画書のまとめ方、プレゼンテーションの方法といった、新しい商品・サービスの開発の過程で必要な技能・知識のテキストと、実践用のワークシートで構成。さらに、ワークシートのPDFファイルを収めたCDも付加した。
 高校での活用を促すため、2005年度以降、研究会において、ワークブックを使うワークショップを毎回開いている。5、6人のグループに分かれて、ワークブックを読み、ワークシートに書き込みながら、新商品のアイデアを練って、グループごとに発表する。その結果、学校で使用するためにワークブックの送付を依頼する参加者が多く、また、大学教員がワークブックをアレンジしたものを、学内の授業でも使用している実態がある。
 酒井准教授は、「完成から5年がたち、改訂の話もあるが、それ以前にワークショップや高校の実践報告などを通し、使い方を広めていきたい」と話す。


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