SSHの柱といえるのが、2年次必修科目の課題研究Iだ。生徒を約20グループに分け、グループごとに研究テーマを設定。実験・調査・検証を行い、成果を研究論文にまとめて発表する。その過程で、岡山大学や岡山理科大学に赴き、大学教員からアドバイスを受けるグループもある。
大学教員の助言が必要なグループは、生徒自らが研究テーマと専門分野の近い教員を調べて、支援を依頼する。内容は、テーマ設定、調査の進め方や実証データの取り方、レポートのまとめ方などさまざまだ。「その結論の背景には、どういう要因があるのか」「それを証明するには、ほかにいくつかの実験が必要なはずだ」など、専門的な視点からのアドバイスを得ることによって、生徒は研究の手法や論文のまとめ方を体得していく。
生徒を引率する教員にとっても、よい機会になるという。理数科長の三島誠人教諭は、「研究や実験など教科にかかわる内容はもちろん、研究室の雰囲気もわかり、大学教員との雑談から、大学生活、就職の実態など、大学のパンフレットからは見えない情報を得ることができる」と話す。
教員を驚かせるのは、研究に対する生徒の前向きな姿勢だ。研究者である大学教員との接触は効果が大きい。生き生きとした態度で研究に取り組む姿は、座学中心の高校の授業ではあまり見られないという。
高大連携で培った力は、大学進学後の学びにも役立っている。進路指導主事の大橋武文教諭は、「課題研究や出前講義などを通して、ノートを取る力やレポートを書く力がつくため、大学の学びにも違和感なく入ることができる」と説明する。
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