日本女子大学には、成瀬が晩年に教育理念として残した「信念徹底」「自発創生」「共同奉仕」の三綱領がある。どこにいても、卒業生が世代を超えて一つになれるキーワードだ。
卒業生の多くは、「在学中から成瀬の理念に高い関心があったわけではないが、卒業し、社会に出た後、今の自分があるのは三綱領に支えられているからだと気づいた」と話すという。蟻川学長も「成瀬については、歳を重ねるごとに研究しがいのある偉大な人物だとわかってきた」と語る。
多くの卒業生が大学支援や社会活動に積極的なのは、創立者から継承されてきた教育理念や教員の姿勢が、大学の中に根付いているためだろう。それらに対する思いが一人ひとりの内でじっくりと熟成し、日本女子大学卒業生としてのアイデンティティーが形成されているといえよう。
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