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Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
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学生や若い卒業生への アプローチを強化

 蟻川芳子学長と前学長で同窓会理事長の後藤祥子氏は、共に附属中学校から入学した日本女子大学卒業生。「教員と学生、学生同士の絆が強いのは、同窓会活動が活発な理由」と声をそろえる。「本学の名称は、日本で最初の日本を代表する女子大学という意味で付けられた。女子教育のパイオニアであり続けてほしいという願いを、卒業生の誰もが持っている」と蟻川学長。
 しかし、同窓会に対する学生や若い卒業生の関心はいまひとつで、会としての対策を迫られている。
 1年次と4年次のアドバイザー教員との会合もその一つ。1年次には同窓会を認知してもらい、4年次には卒業時に同窓会担当者を決めてもらうため、教員の理解と協力を仰ぐ。
さらに、同窓会のホームページを2009年11月に刷新した。支部の活動情報を充実させ、これまで同窓会とは物理的・心理的に距離のあった若い卒業生のアクセスを増やすのが目的だ。今後は、同窓会の行事にスタッフとして学生をかかわらせ、その体験記を募集する企画なども検討したいという。
 一方、大学側は、創立者の理念を継承する形で、生涯学習を中心に卒業生を支援している。
 1908年に同窓会内に設立された「女子大学通信教育会」の流れをくむ「通信教育課程」は、長年にわたって卒業生の学び直しを支援している。1995年に西生田キャンパスに、2001年には創立100周年を記念して目白キャンパスに、それぞれ生涯学習センターを開設した。これらは地域に門戸を開いているが、卒業生の生涯学習を強く意識したものだという。登録した卒業生は、インターネットを利用してセンターの講座をいつでも無料で見ることができる。
 2007年度からは、文部科学省の「社会人の学び直しニーズ対応教育推進プログラム」に選定された「キャリアブレーク中の女子大学卒業生のためのリカレント教育・再就職あっせんシステム」を導入している。再就職をめざす女性を対象に、1年間、ITリテラシーや英語などの教育を行う。受講生の比率は日本女子大学と他大学の出身者がほぼ半々を占める。


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